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※制度・公的資料は2026年7月24日時点で確認しています。
「1か月単位の変形労働時間制・週平均40時間」は、毎日8時間、毎週40時間で働くという意味ではありません。
忙しい日は9時間や10時間、短い日は6時間など、1か月以内の期間で勤務時間に差をつける制度です。原則として、期間全体を平均した1週間の労働時間が40時間以内になるように組みます。
求人票では「週40時間」だけを見ても、最も長い勤務日や残業の実態までは分かりません。応募前に見るべきなのは、1か月分のシフト例、シフトの確定日、所定労働時間を超えた分の扱いです。
ここからは、求人票の読み方と、転職エージェントへ送れる質問文を紹介します。
※実際の残業代は、就業規則、事前に定められたシフト、実労働時間によって変わります。個別の賃金トラブルは、労働基準監督署などへご相談ください。
「週平均40時間」でも毎週40時間とは限らない

1か月単位の変形労働時間制は、1か月以内の一定期間を平均して、1週間の労働時間を原則40時間以内に収める制度です。
制度の要件を満たしていれば、あらかじめ特定された日に8時間を超える勤務を設定できます。特定の週を40時間超にして、別の週を短くする組み方も可能です。
たとえば、次のようなシフトが考えられます。
| 日 | 所定労働時間 |
|---|---|
| 月曜日 | 10時間 |
| 火曜日 | 8時間 |
| 水曜日 | 6時間 |
| 木曜日 | 8時間 |
| 金曜日 | 8時間 |
この例は、制度を説明するために単純化しています。休憩時間は労働時間に含めません。実際の求人では、変形期間全体の勤務日と所定労働時間を見ます。
求人票に「9時から18時」「週40時間」と書かれていても、すべての日が同じ勤務時間とは限りません。「1か月単位の変形労働時間制」「シフトによる」という記載があれば、次の欄も見ます。
- 始業時刻と終業時刻のパターン
- 最も長い勤務日の実働時間
- 半日勤務の有無
- 週6日出勤になる週の有無
- 休憩時間
- 月間の所定労働時間
1日の長さだけでなく、長い勤務が週に何回あるかも重要です。10時間勤務が月1回ある求人と、週3回ある求人では、生活への影響が違います。
なお、常時10人未満の労働者を使用する商業、保健衛生業などの特例措置対象事業場では、週44時間の特例があります。会社全体の人数ではなく、事業場ごとの人数や業種などで判断されます。
薬局求人に「週44時間」と書かれている場合は、特例措置対象事業場に該当するのか、転職エージェントを通して根拠を聞いておきましょう。
月の総枠は28日・30日・31日で変わる

1か月単位の変形労働時間制では、変形期間の所定労働時間を次の総枠内に収めます。
1週間の法定労働時間 × 変形期間の暦日数 ÷ 7
原則の週40時間で計算すると、1か月の総枠は次のとおりです。
| 1か月の暦日数 | 法定労働時間の総枠 |
|---|---|
| 28日 | 160.0時間 |
| 30日 | 171.4時間 |
| 31日 | 177.1時間 |
31日の月は、28日の月より総枠が17.1時間長くなります。「毎月一律で176時間」と決まるわけではありません。
たとえば、所定労働時間が1日8時間なら、22日勤務で176時間です。31日の月では177.1時間の総枠内ですが、30日の月では171.4時間を超えます。
同じ「月22日勤務」でも、月の暦日数や1日ごとの勤務時間によって調整が必要になるということです。
特例措置対象事業場で週44時間を使う場合の総枠は、28日176.0時間、30日188.5時間、31日194.8時間です。求人票だけで判断できないときは、応募先が40時間と44時間のどちらで計算しているかを聞きます。
休日の日数と勤務時間は分けて見る必要があります。休みの内訳を確認したい方は、薬剤師求人の年間休日はどう数える?半日勤務・休日当番・祝日の確認方法も参考にしてください。
残業は「1日・1週間・1か月」の3段階で見る

1か月単位の変形労働時間制では、8時間を超えた分がすべて同じように残業になるわけではありません。
時間外労働に当たる時間は、1日、1週間、変形期間全体の順に判定します。
1日で見る
所定労働時間があらかじめ10時間と特定された日は、10時間を超えて働いた分が時間外労働です。実際に11時間働けば、10時間を超えた1時間が対象になります。
所定労働時間が7時間の日は、8時間を超えた分が法定時間外労働です。7時間を超えて8時間まで働いた時間は、所定時間を超えていますが、法定時間内の残業として扱われる場合があります。
給与が発生しないという意味ではありません。法定時間外の割増賃金が必要な時間かどうかを分けて考えます。
1週間で見る
あらかじめ40時間を超える時間が特定された週は、その所定時間を超えた分を確認します。それ以外の週は40時間を超えた分が対象です。
このとき、1日の判定ですでに時間外労働とした時間は重ねて数えません。
変形期間全体で見る
最後に、1か月の実労働時間が法定労働時間の総枠を超えていないか確認します。日と週の判定ですでに時間外労働とした時間は除きます。
長い勤務日は、事前に特定されている必要があります。厚生労働省の通達では、各日・各週の労働時間を具体的に定めず、使用者が業務の都合で任意に変更する制度は、1か月単位の変形労働時間制には当たらないとされています。
求人を見る段階では、給与計算まで完全に確かめるのは難しいものです。まずは次の3点を聞きます。
- 最も長い所定労働時間は何時間か
- 月平均の残業時間に、所定時間を超えた時間がどう含まれているか
- 所定時間を超えた場合と月の総枠を超えた場合を、どのように勤怠管理しているか
シフトは確定日と変更ルールまで確認する

1か月単位の変形労働時間制では、変形期間の起算日と、各日・各週の労働時間を具体的に定める必要があります。
「月の合計が週平均40時間以内なら、会社が当日に勤務時間を自由に延ばせる」という制度ではありません。
一方で、すべてのシフト勤務について「前月の何日までに通知する」と全国一律の日付が決められているわけではありません。厚生労働省は、シフト制の労働契約では、次のルールを労使で話し合って定めることが考えられると案内しています。
- シフト作成前に希望を聞く方法
- シフトの通知期限
- 通知方法
- 確定後に変更を申し出る期限と手続
- シフト期間開始後に変更する場合の手続
一度確定した労働日や労働時間の変更は、基本的に労働条件の変更に当たり、労使双方の合意が必要とされています。
薬局では、近隣店舗への応援、欠勤者の代替、門前医療機関の診療時間変更などでシフトが動くことがあります。応募前は「変更がありますか」だけで終わらせず、直近の運用を数字で聞きます。
次月のシフトは、通常毎月何日に確定しますか。確定後に勤務日や始業・終業時刻が変わるのは、直近3か月で月何回ほどありましたか。変更時は本人の同意を確認していますか。
家族の予定、通院、保育園の送迎がある方にとって、シフトの通知日と変更回数は働きやすさに直結します。求人票の「希望休相談可」だけでなく、希望の提出期限と実際に通った例も聞いておきましょう。
応募前に転職エージェントへ7項目を聞く

制度の細かい運用を面接で一つずつ質問すると、聞きにくいと感じる方もいるでしょう。応募前に転職エージェントへ依頼すれば、求人先へまとめて問い合わせてもらえます。
聞きたいのは次の7項目です。
- 直近1か月または標準的なシフト例
- 最も長い勤務日の始業・終業時刻と実働時間
- 28日・30日・31日の月ごとの所定労働時間
- 月平均の残業時間と、残業として集計する境界
- 次月シフトの確定日と通知方法
- 確定後の変更回数、変更手続、他店応援の頻度
- 週44時間の場合は、特例措置対象事業場とする根拠
担当エージェントへ送る文面は、次のまま使えます。
求人票に「1か月単位の変形労働時間制・週平均40時間」とあるため、実際の勤務の組み方を教えていただけますか。
直近1か月または標準的なシフト例、最も長い勤務日の実働時間、月ごとの所定労働時間を知りたいです。
あわせて、残業として集計する時間の境界、次月シフトの確定日、確定後の変更頻度と手続、他店応援の頻度もお願いします。
週44時間の特例を使っている場合は、特例措置対象事業場に該当する根拠もお願いします。
内定後は、労働条件通知書の始業・終業時刻、休憩、休日、時間外労働の有無を照らし合わせます。求人票やエージェントの回答と違う場合は、承諾前に書面で確かめてください。
確認メールは、薬剤師が内定後に求人票と条件が違うと気づいたら?確認メール例文6選にまとめています。
勤務時間の実態を応募前に確かめたい方へ
幅広い求人を見ながら働き方を比べたい方
- リクルートエージェント
:一般企業も含めて幅広く比べたい方に
- リクナビNEXT
:自分でも求人を検索したい方に
薬局のシフトや残業の実態を確認したい方
まとめ|週平均ではなく1か月分の勤務表を見る

薬剤師求人の1か月単位の変形労働時間制は、長い日と短い日を組み合わせ、期間全体で週平均40時間以内にする制度です。
応募前は、次の4点を見ます。
- 1か月分のシフト例と最も長い勤務日の実働時間
- 28日・30日・31日の月ごとの所定労働時間
- 日・週・月で残業になる境界
- シフトの確定日と、確定後に変更する手続
最初に転職エージェントへ、7項目の確認文を送ります。回答を受け取ったら、勤務時間だけでなく、年間休日と半日勤務の扱いも並べて判断してください。
内定後は労働条件通知書と回答内容を照らし合わせ、違いがあれば入社承諾前に確認を残します。

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