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薬歴が終わらないのは、薬剤師本人の能力だけが原因とは限りません。
服薬指導、監査、電話対応、疑義照会、在庫確認が続く職場では、薬歴を書く時間そのものが勤務中に残っていないことがあります。
薬歴を書くのが遅いのか。職場の回し方に無理があるのか。
この記事では、薬歴残業が続くときに確認したいポイントと、転職を考える前に見ておきたい職場の条件を整理します。
薬歴が終わらないのは「書くのが遅い」だけではない

薬歴が終わらないと、自分の処理能力を責めたくなることがあります。
でも、薬歴が勤務時間内に終わるかどうかは、本人のスピードだけで決まりません。
たとえば、次のような日です。
- 処方せんが途切れない
- 電話対応が多い
- 疑義照会が重なる
- 在庫確認や不足薬の説明が入る
- 閉局前に患者さんが集中する
薬歴を書くには、短くても落ち着いて思い出す時間が必要です。
服薬指導が終わった直後にすぐ書ければ、内容を整理しやすいです。
一方で、次の患者さん、電話、会計、在庫確認が続くと、薬歴は後ろへ回ります。
かみ砕くと、薬歴が終わらない職場は「薬歴を書く時間」が最初から予定に入っていないことがあるということです。
薬歴残業がつらいのは、仕事が終わったあとに頭を使うから

薬歴残業のしんどさは、ただ帰りが遅くなることだけではありません。
一日中、調剤や服薬指導をしたあとに、もう一度その日の対応を思い出す必要があります。
「この患者さんには何を確認したか」
「副作用の説明はどこまでしたか」
「次回確認することは何だったか」
疲れた頭で思い出すほど、薬歴を書くのに時間がかかります。
薬歴は、ただのメモではありません。
次回以降の服薬指導や患者さんの安全にも関わる記録です。
だからこそ、焦って雑に書くわけにもいきません。
薬歴残業が毎日のように続くと、「早く帰りたい」と「ちゃんと書かないといけない」の間で苦しくなります。
休憩なし・閉局後の薬歴が当たり前なら注意する

休憩が取れないうえに、閉局後に薬歴を書く状態が続くなら注意が必要です。
厚生労働省は、労働時間が6時間を超え8時間以下の場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩が必要と案内しています。
また、休憩時間は労働から離れることが保障されている時間です。
かみ砕くと、昼休みに電話対応や来客対応をしているなら、本当に休めている時間とは言いにくいということです。
薬歴が終わらない職場では、昼休みに少し薬歴を書き、閉局後にも薬歴を書く流れになりがちです。
もちろん、忙しい日だけ薬歴が残ることはあります。
問題は、薬歴残業が「毎日の前提」になっている場合です。
その働き方が続くと、集中力も体力も削られます。
薬歴が終わらない職場で確認したい5つのこと

薬歴残業が続くときは、根性で乗り切る前に職場の仕組みを見てください。
確認したいのは、次の5つです。
| 確認すること | 見る理由 |
|---|---|
| 薬剤師の人数 | 服薬指導後に薬歴を書く余白があるか分かる |
| 処方せん枚数 | 一人あたりの負担を考える材料になる |
| 事務さんの業務範囲 | 電話や入力をどこまで分担できるか分かる |
| 薬歴を書く時間 | 勤務中に記録時間が確保されているか分かる |
| 残業代の扱い | 閉局後の薬歴が労働時間として扱われているか確認できる |
薬剤師の人数だけ見ても足りません。
薬剤師が複数いても、時間帯によって一人になる職場があります。
処方せん枚数が少なくても、在宅、施設、電話対応が多い職場もあります。
薬歴が終わらない原因は、ひとつではありません。
「自分が遅いから」で片づけず、職場全体の流れを見てください。
転職を考えるなら「薬歴は勤務時間内に書けるか」を確認する

転職を考えるなら、求人票の年収や休日だけで判断しない方が安全です。
薬歴残業で悩んでいる人は、面接や転職エージェントへの相談で次の点を確認してください。
- 薬歴は勤務時間内に書ける運用か
- 閉局後の残業はどのくらいあるか
- 1日あたりの処方せん枚数はどのくらいか
- 薬剤師は常時何名体制か
- 電話対応や入力は事務さんと分担できるか
- 残業代はどのように計算されるか
求人票に「残業少なめ」と書かれていても、薬歴の時間まで含めて少ないとは限りません。
転職サイトを使う場合は、担当者にこう伝えると確認してもらいやすいです。
薬歴が勤務時間内に終わらず、閉局後の残業が続く働き方を避けたいです。薬歴を書く時間が確保されている職場か、残業代の扱いも含めて確認したいです。
「薬歴がつらい」とだけ伝えるより、避けたい働き方を具体的に言う方が話が進みます。
薬歴残業で限界になる前に、記録しておくこと

今すぐ転職するか決められない場合でも、薬歴残業の状況はメモしておくと役に立ちます。
記録しておきたいのは、次の4つです。
- 何時まで薬歴を書いたか
- 休憩時間に薬歴を書いていないか
- 残業代がついているか
- 薬歴が残った理由は何か
「忙しかった」だけでは、あとで振り返りにくいです。
たとえば、「電話対応が多かった」「疑義照会が3件続いた」「閉局前に患者さんが集中した」など、原因を短く残します。
職場に相談するときも、転職先を探すときも、具体的な記録があると説明しやすくなります。
薬歴残業がつらいときほど、頭の中だけで抱えない方がいいです。
まとめ:薬歴が終わらないなら、時間の使い方を見直していい

薬歴が終わらないからといって、すぐに「自分が薬剤師に向いていない」と決めなくて大丈夫です。
薬歴が残る背景には、処方せん枚数、薬剤師人数、電話対応、事務さんとの分担、休憩の取り方が関係します。
確認したいことをまとめます。
- 薬歴が終わらない原因は、本人のスピードだけではない
- 閉局後の薬歴が毎日続くなら、職場の仕組みを見る
- 休憩時間に薬歴を書いているなら、本当に休めているか確認する
- 転職時は「薬歴を勤務時間内に書けるか」を最初に聞く
まずは、1週間だけ薬歴残業の時間と理由をメモしてください。
薬歴が残る原因が見えると、職場に相談するのか、働き方を変えるのかを考えやすくなります。
薬歴残業が続いている方へ
薬歴が勤務時間内に終わらない職場で悩んでいる方は、求人を見る前に「避けたい働き方」を整理しておくと失敗しにくくなります。
転職サイトを使う場合は、薬剤師の人数、処方せん枚数、薬歴を書く時間、残業代の扱いまで確認してもらいましょう。
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参考
- 厚生労働省「労働時間・休憩・休日関係」
- 厚生労働省「しっかりマスター 割増賃金編」
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/000501860.pdf


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