薬剤師の退職で引き止められたらどう断る?人手不足の職場で流されない伝え方

退職前に決める3つ 薬剤師の年収・お金

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薬剤師が退職を引き止められたときは、退職理由を説明しすぎず、「退職日は変えられません」と短く伝える方が流されにくいです。

人手不足の薬局では、退職を伝えたあとに強く引き止められることがあります。

「後任が来るまで待って」

「患者さんが困る」

「今辞められると現場が回らない」

責任感が強い人ほど、言われた言葉をそのまま受け止めてしまいます。

ただ、退職を考えるまでには理由があったはずです。退職の話し合いでは、職場の都合と自分の生活を分けて考える必要があります。

この記事では、薬剤師が退職を引き止められたときの断り方と、退職前に残しておきたい記録をまとめます。

退職の引き止めは「相談」ではなく「返答」を決めて臨む

退職前に決める3つ

退職を伝える前に、返答の軸を決めておくと話がぶれにくくなります。

退職面談で決めておきたい軸は、次の3つです。

  1. 退職希望日
  2. 退職理由をどこまで話すか
  3. 引き止められたときの返答

退職を伝える場で迷うと、相手の言葉に引っ張られやすくなります。

たとえば「もう少しだけ考えて」と言われたとき、退職日を決めていないと返事が止まります。

「考えます」と言ったあと、退職の話をもう一度切り出すのはかなり疲れます。

退職を伝える前に、次の一文を用意しておくと安心です。

退職については考えたうえで決めました。退職日は〇月〇日でお願いしたいです。

退職理由を長く説明するほど、引き止める材料が増えます。

人間関係、残業、給与、薬局長との相性などを細かく話すと、「改善するから残って」と返されやすくなります。

退職理由は、短く伝える方が安全です。

家庭の事情と今後の働き方を考えて、退職を決めました。

今後のキャリアを考え、別の環境で働くことにしました。

本音を全部話さなくても、退職の意思は伝えられます。

私も転職活動で、内定辞退を伝えたときに強く引き止められた経験があります。場面は違いますが、「すでに決めた」と短くはっきり伝える点は、退職の引き止めでも同じでした。そのときの実際のやり取りは、こちらの記事に書いています。

薬剤師の内定辞退メールの書き方【コピペOKテンプレ付き】丁重に断る方法

「人がいない」と言われたら、退職日と引き継ぎを分けて答える

人手不足と言われたら

「人がいないから辞めないで」と言われたときは、退職日と引き継ぎを分けて返すと話が整理しやすいです。

薬局では人手不足がそのまま現場の負担になります。

急に薬剤師が1人減ると、シフト、投薬、薬歴、在庫管理、疑義照会の負担が残る人に寄ります。

引き止める側にも困る理由はあります。

ただ、人手不足を理由に退職日を決められない状態が続くと、退職する側の生活が止まります。

返答例は次の形です。

人手不足でご迷惑をおかけすることは理解しています。引き継ぎはできる限り協力します。ただ、退職日は〇月〇日でお願いします。

大事なのは、「協力すること」と「退職日を変えないこと」を同じ文で伝えることです。

「引き継ぎします」だけだと、退職日の話が後ろへ流れます。

「退職します」だけだと、現場の反発が強くなることがあります。

薬局側が知りたいのは、退職までに何を引き継げるかです。

退職日までに整理できるものは、次のような内容です。

引き継ぐ内容 残すと助かる情報
在庫管理 発注のタイミング、欠品時の連絡先
門前対応 よくある疑義照会、医師ごとの傾向
患者対応 注意している患者さん、申し送り
事務作業 いつ誰に確認するか

退職日を伸ばす代わりに、引き継ぎメモを作る。

人手不足の職場では、この形が現実的です。

「後任が来るまで」と言われたら期限をあいまいにしない

後任待ちは期限を決める

「後任が来るまで待って」は、退職日が見えなくなりやすい言葉です。

私自身も退職を伝えたとき、「次の人が決まるまでいてもらえないかな?」と引き止められました。まさにこの形です。

後任の採用は、退職する薬剤師が決められることではありません。

求人を出す時期、応募者の有無、面接、入社日。どれも会社側の事情です。

後任が決まるまで残る約束をすると、退職日が1か月、2か月と延びる可能性があります。

返答例は次の形です。

後任の方が決まるまで残るお約束はできません。〇月〇日までは引き継ぎに協力します。

退職日を伸ばせる余地が少しある場合でも、期限を決めた方が安全です。

退職日は〇月〇日で考えています。どうしても必要であれば、最長で〇月〇日までなら調整できます。

「いつまででも残れます」という言い方は避けてください。

退職する側が善意で言った一言でも、職場側は「まだ残れる」と受け取ることがあります。

期限を決めることは、冷たい対応ではありません。

退職する側の予定を守るための線引きです。

「患者さんが困る」と言われても一人で背負わない

患者対応は申し送りで守る

患者さんを理由に引き止められると、薬剤師は断りにくくなります。

薬局の仕事は、患者さんの生活に近い仕事です。

長く担当している患者さんがいると、退職に罪悪感を持つこともあります。

ただ、患者さんへの対応は薬局全体で引き継ぐものです。

特定の薬剤師だけがずっと抱える仕組みになっているなら、退職とは別に職場の運用の問題です。

返答例は次の形です。

患者さんにご迷惑がかからないよう、必要な申し送りは退職日までに残します。ただ、退職の意思は変わりません。

申し送りで残す内容は、細かすぎる必要はありません。

  • 服薬フォローで注意していること
  • 次回来局時に確認したいこと
  • 医師へ確認中の内容
  • クレームや不安が強い患者さんの対応履歴

薬歴に書くべき内容は薬歴に残します。

薬歴以外に必要な申し送りは、職場のルールに沿って残してください。

患者さんを大事にすることと、退職をやめることは同じではありません。

退職前にできる範囲で引き継げば、退職の意思まで手放さなくて大丈夫です。

条件改善で引き止められたら「いつから変わるか」を確認する

条件改善は4点確認

給与やシフト改善を出されたときは、内容ではなく実行時期を確認してください。

退職を伝えたあとに、次のような条件を出されることがあります。

  • 時給を上げる
  • 残業を減らす
  • 人を増やす
  • 異動させる
  • 薬局長と話す場を作る

条件改善が本当に実行されるなら、残る選択肢がゼロとは限りません。

ただ、口約束だけで残るのは危険です。

確認したいのは、次の4点です。

確認すること 聞き方
いつから変わるか 何月のシフトから変わりますか
誰が決定するか 店舗判断ですか、本部決裁ですか
書面に残るか 労働条件通知書は変更されますか
戻らない保証 一時的な対応ではありませんか

かみ砕くと、「変えるつもり」ではなく「いつ、誰が、書面で変えるか」を確認するということです。

退職を伝えた瞬間だけ優しくなる職場もあります。

1か月後に元の働き方へ戻るなら、退職を止めた意味がありません。

条件改善で迷う場合は、その場で返事をしない方が安全です。

条件を出していただきありがとうございます。内容を確認して、〇日までに返答します。

返答期限を自分で決めてください。

「また考えておいて」と言われたままにすると、退職の話が止まります。

退職届を受け取ってもらえないときは記録を残す

記録しておく5つ

退職を伝えても話が進まないときは、日時とやり取りを記録してください。

退職の引き止め自体が、すぐに問題になるとは限りません。

ただ、退職届を受け取らない、何度も面談を入れる、強い言葉で退職を諦めさせるような状況なら注意が必要です。

厚生労働省の「確かめよう労働条件」では、「辞めたいのに辞めさせてもらえない」ときの対応として、退職の意思表示をした証拠を残すことが案内されています。

退職届を手渡しで受け取ってもらえない場合は、メールや内容証明郵便など、退職の意思を伝えた記録が残る方法を検討してください。

記録しておきたい内容は、次の5つです。

  1. 退職を伝えた日
  2. 退職希望日
  3. 誰に伝えたか
  4. 何と言われたか
  5. 退職届を出した日

無期雇用の場合、民法では雇用期間を定めていないときは、解約の申入れの日から2週間を経過すると雇用が終了するとされています。

つまり、正社員など期間の定めがない働き方では、会社の許可がないと絶対に辞められない、という話ではありません。

退職日を明確にしたい場合は、「退職願」ではなく「退職届」として退職の意思と退職日を書面に残す方法があります。

退職願は、会社に退職を願い出る意味合いで使われることがあります。

退職届は、退職する意思を伝える書面として使われます。

ただし、有期契約、就業規則、退職金、賞与、引き継ぎ、有給休暇の扱いで個別に確認が必要なことがあります。

退職で揉めている場合は、労働基準監督署、総合労働相談コーナー、社労士、弁護士などに相談してください。

転職先が決まっているなら退職日を先に固定する

入社日から逆算する

転職先が決まっている場合は、入社日から逆算して退職日を決めてください。

退職を引き止められて入社日がずれると、転職先にも迷惑がかかります。

退職交渉の前に確認したい日付は、次の4つです。

  • 転職先の入社日
  • 現職の退職希望日
  • 有給休暇を使う期間
  • 最終出勤日

現職に伝えるときは、転職先の細かい情報まで話す必要はありません。

次の勤務開始日が決まっているため、退職日は〇月〇日でお願いします。

転職先が決まっていない場合は、退職日を決める前に生活費と保険を確認してください。

退職後に空白期間ができると、健康保険、年金、住民税の手続きが発生します。

退職後のお金や保険は、過去記事で詳しくまとめています。

今回の記事で扱うのは、退職後の手続きではありません。

退職を伝えたあと、引き止めに流されないための会話の整理です。

転職サイトを使うなら「引き止められそう」と先に伝える

先に相談すること

退職を引き止められそうな職場にいるなら、転職サイトの担当者にも先に伝えてください。

求人紹介だけでなく、退職時期や入社日の調整を相談できることがあります。

担当者へ伝えるなら、次のような言い方が使いやすいです。

現職は人手不足で、退職を伝えると引き止められる可能性があります。入社日を決める前に、退職までの期間を少し余裕を持って考えたいです。

退職理由をどこまで伝えるか迷っています。現職と揉めにくい伝え方も相談したいです。

転職サイトは、現職を辞めさせるための代わりの窓口ではありません。

ただ、入社日を急ぎすぎると退職交渉が苦しくなります。

転職先を探す段階で、退職までの期間を含めて相談しておく方が安全です。

📝 この記事の「言いにくい場面」を、全部テンプレにしました

上司への切り出し方、引き止められたときの返し方、内定辞退メール……そのままコピペで使える言葉を、転職4回の薬剤師が1冊のnoteにまとめました。

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退職を引き止められそうな方へ

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まとめ:退職を引き止められたら退職日を短く言い切る

引き止めで流されない

薬剤師の退職で引き止められたときは、退職理由を説明しすぎない方が話が進みやすいです。

覚えておきたいのは、次の4つです。

  • 退職日と引き継ぎは分けて話す
  • 「後任が来るまで」は期限を決める
  • 患者さんへの申し送りは残すが、退職意思は変えない
  • 条件改善を出されたら、書面と実行時期を確認する

退職を伝える前に、退職希望日、最終出勤日、有給休暇、引き継ぎメモを整理してください。

引き止められたときの返答は、長い説明はいりません。

退職については考えたうえで決めました。引き継ぎは協力しますが、退職日は〇月〇日でお願いします。

この一文を用意しておくだけで、退職面談で流されにくくなります。

参考

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